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2010年8月 4日 (水)

削る塗る3

繰り返しますが修理の技量でその人の持っている総合技量がわかると思います。
修理というのは定型性に乏しく、ケースごとに手持ちの全技量の応用を求められるクリエイティブな作業だと思うのです。

★さて、今度は有償で引き受けたDLA4の作業です。

こちらはポッドとパイプを外して接着し直す必要があります。
比較的珍しい作業と言えるでしょう。
がっちり取り付けられたパイプを外すのは手間がかかる作業です。まず手順を考えます。

100724a ポッドを壊しても直すことは難しくありませんので(時間はかかるにしても)、パイプを傷つけないことを第一に考えます。
そこでポッドの下側後端を大きくえぐり取り、そこから彫刻刀を差し込んでパイプを固めている樹脂の剥離を目指しました。

結果的に、ポッドの後端の下側、および片方の側面も壊れましたがなんとかパイプ離脱に成功。

壊れたポッドの修理作業を行います。

100724b ①まず外れたパーツから樹脂や接着剤を除去します。
と書きましたが、面倒な作業です。とくに短時間タイプのエポキシ接着剤は作業の邪魔なので完全に取り除きます。エポキシ接着剤というのは修理にとっては大変な厄介者です。
修理のことを想定するわけじゃありませんが、わたしはエポキシ接着剤は1箇所しか用いません。主翼の左右接合の際にイモ付けするところだけです(なおここは強度に関与しませんので、溶剤を含んでいなければ他の接着剤で代用できます。もちろんクロスによる接合には低粘度エポキシ樹脂を用います)。

100724c ②きれいになったパーツを瞬間接着剤で接着します。グラスなどで裏打ちしておきます。

100724e欠損した後部下端を補うためバルサで仮の裏打ちをしたところです。
こういう場合はグラスで裏打ちというわけにはいきません。

100724d ③接着した部分を荒いペーパー(#180など)で削ります。当初の繊維の厚みがほとんどなくなりまで(下地が出るあたりまで)削ります。切れてしまった繊維に用はありません。新しい繊維に置き換えます。壊さないように削りますが、壊れそうな場合はさらにバルサなどで裏打ちし、後に除去します。
写真のリンケージの取り出し穴は一度塞いでやりなおすことにします。

100724f ④薄くなった部分に対応する繊維を、エポキシ樹脂で貼ります(繊維方向は相手とそろえること)。あまり強度の要らない部分で、かつ小さな部分は瞬間接着剤でも代用できますが、あまりおすすめしません。
ここではラップやビニールで巻いた後、ビニールテープでぐるぐる巻きにしました。
この機体のポッドには逆Rがありますので、なじませるためデプロン(白いの)を抱かせて巻いています。

100724x ④’ここまでやって、ポッド後方天面(後方ネジ穴の周囲)を作り直す必要があると感じました。
そこでまず、主翼の上にビニール(ラップや書類フォルダでも可)を貼ってカーボンを2枚積層し、天板1を製作・側板に瞬間で接着します。
側板と天板1の継ぎ目を削り、天板2を積層します。これも2枚。角はロービングで出しました。

⑤パテ(前述)でピンホールを拾い、表面を削って平らにします。薄くなりすぎた部分はさらに積層からやりなおしです。小さな部分でもできるだけサンディングブロックを用いましょう。

100724g  ⑥表面に樹脂を塗り、磨いて仕上げます。ただし、写真の状態はまだピカピカにはなっていません。
写真ではパイプを接着してありますが、すでに尾翼の付いたパイプをアライメントを出して接着するのは説明するのもいやなほど面倒くさい作業でした。割愛させてください。
なお、パイプの接着はいつものようにパイプの周囲に放射状にバルサの支えを入れる方式です。接着剤は瞬間。

100724h ⑦ほぼ生地完成。これもポッドはまだ仕上げが済んでいません。主翼の上面はほぼ仕上げが済んでピカピカです。あとは憂鬱なリンケージ作業が残ります。

ここまでやって修理だと思っています。壊れた部分をそのままにして上に何かを貼るなどして修理するのは応急処置に過ぎません。基本的に、壊れた・つぶれた・切れた(強度に貢献しない)部材は除去し、新たな部材をなじませることが必要です。

修理と補強は分けて考えましょう。
そうすることで余計な重量を増やすことを避けられます。

今回はここまでです。

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