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2009年12月29日 (火)

上達法を探る 02

Dsc00017連載第2回です。

今回は目標を立てて、具体的な練習方法まで踏み込んでみましょう。
練習科目のポイントも示しますので、そこを意識して始めてみてください。
すでに科目がこなせる方はスキップしてください。

ここでいう操縦技量とは

練習法の考察を書く前にまず前提を確認しましょう。

サーマルグライダーにおける技量(以後、「総合技量」としておきます)は大きく二つの要素からなります。
①判断能力と、②操作能力です。

①の判断能力の錬磨には若干の気象知識と経験の蓄積などが必要です。これは後日考察します。

一方、②の操作能力の錬磨にはひたすら練習することが必要です。
先にこの操作能力について考察していくことにします。

操作能力の目安

およそ操作能力というものには上限がありません。高いほど良いに越したことはないのでしょうが、一方でサーマルグライダーは操作能力のみを追求すればいいものでもありません。
どのぐらいの操作能力を身につければいいのかという問題は、この趣味を各位の中でどのように位置づけていくかに大いに関係してきます。
しかしこれでは話が進みませんので、初級者を対象に指標を示すことを試みます。

わたしならば、初級者が目標とする総合技量のレベルをこのように設定します。
すなわち、『操縦に不安がなく、ある程度の風の中でも空気の機微を楽しむことができるレベル』です。

練習科目の提示

ではこのレベルの総合技量を身につけるために②の操作能力がどのくらいあればいいでしょう。

空気の機微とはたとえばサーマルやスロープ、ウェーブなどの上昇風です。これをある程度自由に利用でき、反対に下降気流からうまく逃げることが出来れば、楽しむということができるでしょう。
もとより飛ばすこと自体楽しいものですが、サーマルグライダーはその先に楽しみを見いだすことに存在意義があります。

具体的にこのレベルに達するために必要な科目は、急旋回の維持、連続左右切り返し、背面飛行、宙返り・四角宙返りを挙げておきます。
これらがある程度美しくこなせれば必要十分と考えます。

各科目について説明します。

・急旋回の維持は45度以上のバンクを維持してピッチングなくリズムよく旋回を続けるというものです。左右両方向を練習してください。
この科目ではピッチング癖があれば誇張されて表れます。特に風があるときは顕著です。
また修正も緩旋回より難しくなります。きれいにくるくると回るようになるまで、繰り返してください。

・連続左右切り返しは、90度や180度、360度といった旋回を左右に連続して行います。90度や180度では蛇行、360度は8の字になります。エルロンをフルに切るような出来るだけ大きなバンクで行ってください。
この科目はラダーをうまく使わないときれいに切り返せません。
また切り返し時にピッチングしないようにするために、微妙なエレベータ操作が要求されます。
旋回の初動と停止におけるエレベータ操作を集中的に鍛えられます。

・背面飛行は直線の維持と旋回ができればいいでしょう。
これはスティックのニュートラルに頼らずにピッチを微調整する練習です。
低くなりすぎないうちに正面に戻すようにしてください。

・四角宙返りはその前段階として、普通の宙返りの練習を行ってください。
ただエレベータを引っ張るだけではダメです。軌跡が円を描くように意識してください。
最初のうちは機体だけ見つめてしまって軌道が見えないものです。
これはエネルギー管理と軌跡を意識した飛行の練習です。

必要な操作能力は早く身につけるほど有利です。
これらの科目にはそれぞれ意味がありますが、それは練習してみればすぐにわかります。

なぜこのような練習をした方がよいのか

よく調整されたグライダー、特に競技用機は自律安定が高く、操縦も容易なものです。飛ばすだけならば初級者でも十分に可能でしょう。
するとハンドキャッチが出来れば、あとはサーマルを見る目を磨けばいいな、と思ってしまいがちです。

また、サーマルソアリングでは滑らかで必要最小限度の操作を行って、無駄な操舵抵抗を排しなければなりません。すると、機体に可能な起動性のうち、非常に狭い範囲だけを使って、かつ微妙な操作を要すると思って良いでしょう。
以上からすると、一見アクロバティックな操作の練習は不要なようにも思えます。

しかし、大胆な舵の操作を習得する必要がないかというと、決してそうではありません。
これは緊急操作に限った話ではありません。繊細な操作を生み出す土台として、機体に可能な挙動を掌中に収め、余裕を持っておくことが必要です。

大きな舵を上手に使えない人は、繊細な舵もうまく使えない場合が多いのです。

現実問題として直線飛行一つ取ってみても、操作の繊細さによって到達できる距離はかなり違ってきます。
繊細な操作ができる人は細かな修正舵を使って速度を維持し、遠くまで飛べます。また風下からでも滑空性能を生かして帰還できます。
しかしそうでない人の修正操作はむしろ滑空性能を阻害しかねません。

直線飛行ぐらい、と思われる方もいるかもしれません。
しかしたとえば自転車で、一定速度で白線の上を走ることは決して容易ではないのです。

上に挙げた練習は毎回15分程度時間を取って続けていれば、効果が出てくるはずです。
切り返し科目はできればエルロン付きグライダーで行ってください。
上記科目は私もよく行っています。また、急旋回の維持や切り返しはセッティングの指標にもなります。

操作能力編は次回に続きます。

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