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2009年12月27日 (日)

上達法を探る 01

A52a 最近、サーマルグライダーの初級者がステップアップするための練習法について考えてみる機会がありました。

そこで、過去に書いた文章を掘り返し、改訂して載せてみることにします。長くなりますので連載にします。

まず知っておきたいこと

考えたことがない方もいるかもしれませんので、RCサーマルグライダーとは何なのか、というところから解きほぐしてみます。

滑空する航空機という機体を指す定義にとどまらず、機体の役割を含めて、何をする道具なのかを考えてみましょう。

端的にいうと、(ほとんど)見ることができない空気の機微を知覚し、利用する遊びのための道具であると言えるでしょう。そのうち、能動的に遠隔操作できるものがRCサーマルグライダーです。
(※機体搭載オーディオ・バリオなどで上昇や沈下を直接知覚することは可能ですが、主な競技では使用を禁じられていますので除いて考えることにします。)

見えない気流を知覚する

見えない(=対象そのものを直接視覚によって知覚できない)とはどういうことでしょう。

あなたなら例えば透明人間をどうやって探しますか?

見えないものは何かで触れることなどを介して間接的に知覚することしかできません。
たとえば水中の湧き水はそのままでは見えませんが、砂が舞い上がっていることで水流の存在がわかります。砂が水流に触れて動くことで、水流を間接的に視覚で感じることができるのです。
砂の動きという視覚情報を介していますが、見えているのは水流自体ではないことにご注意ください。

サーマルを探す時もこれと同じことです。
砂の代わりをするのがグライダーです。グライダーが空中のいろいろな気流の中を飛ぶことで、上がっていく空気とそうでない空気をその挙動によって見分けられます。

すなわち、RCサーマルグライダーというのは、その場の空気に触れて、そこの空気の様子を操縦者に見せる、道具なんです。
目に見えないもの(空気)に触れて得た情報を、目に見える形に変換して操縦者に伝える道具。それがグライダーです。
この情報を操縦者に伝える方式はグライダーの「見え方」です。操縦者の目が、空気の様子を機体の見え方の情報として「受信」するわけです。

まとめると、
1)グライダーは、空気の状態によって「見え方」を変えることで、あなたに周囲の空気の情報を送ります。
2)あなたはそれを読み取って、機体の周囲の空気の状態を「想像」します。
3)そこで得た空気の状態から、それが上昇気流なのかどうかを「さらに想像し、判断」します。
(一番わかりやすい合図は、単純に機体が持ち上げられることです。そこが上昇気流である可能性が高くなります。)

お気づきでしょうが「想像」が2回も出てきました。推測に推測をかけることになるわけですから、どうしても間違いが多くなりそうです。そこで間違いを減らして上昇気流をうまく見分けるには、この情報(=機体からの合図)を適切に受け取って、そこから空気の様子を正確にすばやく判断することが必要なのです。

情報量は多い

機体の見え方というのは機体だけという狭いものではなく、広く軌跡や速度を含めた全ての事象になります。
すると慣れるにつれて多くの情報を得ることができるようになりますが、これは操縦者を惑わせる要素でもあります。大事なのは、広く情報を得る姿勢と、情報の取捨選択です。

※ところで、目を閉じても、暑いとか寒いとか匂いなんかはわかります。
匂いはあまり関係ないですが体に感じる温度は大事です。同様に風も感じます。
あなた自身も、実は空気のいろいろな情報を直接得ているのです。このような情報も上昇気流を見分けるためにかなり大事です。もちろん、グライダーが飛んでいるその場所の空気ではありませんので、注意が必要です。

今回はここまでにして、次回から実際の練習法を探っていきましょう。

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コメント

うむ

初心者代表として
このような連載が始まることを大歓迎して感謝します

楽しみです。
実践しながら読んでいきたいと思っております。

投稿: hal | 2009年12月27日 (日) 02時15分

こんにちは
なんと言えばよいのかわからないのですが、明確に目的意識を持ち、色々分析してエンジン作りも飛行機を飛ばすこともしたことはありませんでした。ただ漫然とキレイに作りたい、上手に飛ばしたいと考えていただけ。

非常に参考になります。
自分のホームページもこのくらい薫り高く文章が書けたらと思います。

投稿: tsuzuki | 2009年12月28日 (月) 11時42分

豊富なご経験と理論に裏づけされた知識をこのような形で公開していただいて助かります。
ありがとうございます。

投稿: nakajima | 2009年12月28日 (月) 14時32分

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