<注意>
糸とロッドの長短をまとめて、自分にとっての現状の結論をメモしてみました。
現在、HL-1を使用している人で糸リンクを採用しているのは(知っている限り)私だけで、今や私の影響を少なからず受けたあらぽんのDLA5-2もロッドリンクです。
糸リンクは完全に淘汰されつつあります。
今回はロッドと糸の両方式の工作性を度外視し、完成状態について述べます。
ヨシダ氏がランチでエレベータのロッドが曲がったということをブログに書いておられましたが、これに類する事例は昨年に私の身近でも起きています。
私が目にした例はラダーでしたが、ロッドが終点付近でたわみ、ホーン穴から外れて激しいフラッターを起こしました。リンケージのやり直しを要していました。
細い鋼線を90°に曲げてホーン穴に差す形式のロッドでは、原理的に穴とロッドがインラインになりません。必ずわずかにこじる形となって、プッシュでもプルでもわずかなたわみを生むことになります(特にロッド露出部)。
※エルロンでも同じ型式ならば同様ですが、ロッドの太さが違いますので以下の点は単純には比較できないと思います。
毎回こじった結果細いロッドに疲労がたまったり、あるいは風速が大きいなどして大きな外部入力が生じるなどすれば、ロッドはランチで曲がり得ます。またパイプエンドのスロープ等の施工不良で完成時から曲がっている場合もありえます。
ロッドが曲がり始めればランチや操舵でロッドが抜けたり舵が逃げたりすることになりかねません。
以上の原因分析が正しいかはさておくとしても、糸リンクではこのような問題は生じる余地がありません(※トーションバー+糸片引きは実用性に疑問があると考えるため、ここでは除きます)。
さて、舵への外部入力に対する点をもう少し考えてみます。
ロッドではプッシュ方向の外部入力に対しては(とくに露出部の)ロッドの剛性、およびガイドパイプの接着強度で耐えるという構造になっています。
ここで外力は、細いロッドを(軸線からずれて)押す、またロッドより太いパイプの中でわずかとはいえうねったロッドを押すという形になってしまう点に弱点があると考えます。
一方糸では(フリクションを度外視すれば)サーボが両方向とも直接舵を支えて外部入力に抗する形になります。
もちろん、このようなロッドのデメリットも選択の要素のひとつに過ぎません。
糸にもたとえば肝心のプル動作中に抵抗が大きくなる点など、多くのデメリットは存在します。これが舵の残りを生むので耐え難いと考える向きには反論できません。
総合的に判断して選択すべきものです。
さて私の主観では、糸リンクの致命的欠点というものはいまだ認識していません。
一方、上に挙げたロッドの欠点は私に言わせればかなり重大なものです。
とくに、身近なパワーランチャー2名に起きた事象は重要視するほかなく、その結果ロッドの上記欠点は重大と判断するほかありません。
一方で糸は少なくともDLG時代になって以降、使用中にトラブルを生じたことがありません。
こういう次第で、今まで通り当面自分用のフルサイズ機の尾翼には糸リンクを継続して使用していきます。
異論反論はおありでしょうが、私の中では実績の差で判断する段階にあります。
※ロッドであっても動作方向に変換を加えたものなど、上記の欠点がそのまま当てはまらない方式はもちろん別論です。例としてグラスフリューゲル式のラダードライブなど。
なお性能差はいまだ判断を下すに至っていません。
糸リンクはホーンが抵抗となり、逆にロッドリンクは内装しなければアウターが抵抗になると思われます。
アウターはまっすぐ貼れば抵抗にならないというわけではありません。
テールパイプ部分の気流はまっすぐ機軸方向に流れるのではなく、テールパイプの周りを正面から見ていずれかの方向に回転しながら流れます(このため尾翼に当たる気流は均等ではなく、ラダーの効きは常に左右に差が生じます)。したがってまっすぐ貼ったアウターでも抵抗源となるのです。
テールパイプ断面型も滑らかに保つに越したことはないのです。