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2009年3月24日 (火)

糸リンク

どうして糸リンクを使い続けるのか、糸派の主張を述べておきます。
もとより主観に基づく文章なのでフェアでない点はご了承下さい。

※DLGにおける糸リンクは淘汰されつつある少数派です。
私は多数派には総合的に少数派よりマシだと言える理由が必ずあると思います。ですので、これを読んで変な影響を受けないようご注意下さい。

糸を使い続けるのは、①軽いから、②楽だから、③現状の糸からわざわざ替える必要性が見あたらないから、というのが主な理由です。

①重量はターンポイント等の特有パーツを含めても無視しうるレベルです。これは軽量化著しい昨今の機体にあっては極めて重要です。後部を軽量化すればその数倍の重量を機首から取り除けるからです。

②楽というのは、工作や特性に慣れているからです。
慣れを要するというふうに裏を返せばデメリットになります。

③替える必要がないというのは、ロッドの機体を飛ばしても明確な良さを感じないのです。ただし職人が完璧に作ったロッドリンクの機体は飛ばしたことがありません。その点フェアじゃないですが。

一方、少ない経験の限りではロッドリンクを正確に作るのはかなり面倒に感じます。
サーボの搭載位置の上下まで考慮しつつ、パーツの上に沿ってできるだけ直線にリンクするというのは実に厳しい課題です(私の工作技量では相当がんばっても動作に不満を感じます)。それに比べれば糸は「空間」を通してしまえるので、考えることが少ないのです。

ロッドリンクをして「DLGに関しては最も優れた方法」というようなことを書く人がいるようですが、少なくとも私にとっては現時点では賛同できないわけです。

そのほかの理由も考えてみました。
糸は錆びません。また「遠距離かつ細いワイヤーに依存したプッシュ動作」、という(両動作方向の)不均衡かつ不確実な要素がありません。
さらに、空力的にバランスしていない舵面(ことにコード長のあるラダー)にテンションをかけることでフラッター防止に役立ちます。
慣れれば現場でリンケージのやり直しが出来ます。
たとえばパイプに触れてアウターが外れるというトラブル要素もありません。

しかし糸にはデメリットがあることもたしかです。これを正確に把握して慎重に避ける必要はあります。
主なデメリットとしては①フリクションを増やす要素が多い、②ゆるみの危険、③潜在的占有体積(通る場所)が大きい、④サーボを選ぶ、などが挙げられます。

①フリクション対策としてはまず、PE糸をよく選ぶことが必要です。ブランドが多いので具体的にどれがよいとは申し上げられませんが。
糸は出来るだけ絡まないようにするために、まずリーダー糸を一本通しておき、これで必要な数の糸をまとめて引っ張って通します。一本ずつ通す必要がある場合はすでに通した糸をぴんと張ってテープで止めておき、他の糸を通す際にできるだけパイプ内で絡まないようにします。

また、糸のアウトレット穴をきれいに整えることが必要です。折ったペーパーを鋭角三角形に切り、穴に差し込んできれいにやすって下さい。
あるいはアウトレットにテフロンチューブを使っても重量的には無視できるでしょう。

②サーボ側ホーンはクリンチノットできつく結び、瞬間で固めます。そのあと、自由に結び目が動くようにしてやります。

サーボホーンを削り、ホーンを振っても糸の長さが変わらないようにするのもゆるみ防止に効果的です(糸が動く範囲で、穴からホーン外周までの距離をそろえる)。最近はこの方法を用いています。

舵側ホーンを結ぶ場合はテンションをかける必要があります。サブトリムによる調整が少なくなるように結ぶにはいくらか練習が必要ですが、テンションをかけるときは糸を一回結んだ後に結び目をペンチでつぶすのがコツです。
そこにわずかな瞬間を流してからさらに二回縛ります。

糸は初期伸びで一度だけ伸びます。次の日テンションをチェックして、たるんでいたらやりなおしです(サブトリムをゼロに戻して、長い一本だけやり直せばよいです)。このとき、今ついている糸を使って新しい糸をパイプに導入してください。

慣れれば数年間たるまないリンクをすることが可能です。

③はどうしようもありません。バラストボックスを作るときは考慮を要します。
糸を逃がしたい部分にパイプに通しても良いですが、リンケージのやり直しで苦労する可能性もありますのでご注意下さい。

ところで、糸リンクはサーボホーンが両側に出て抵抗が大きい、かっこわるいという話も聞きました。
わたしはエレベータについてはリターン式片側ホーンを用いていますので、エレベータに関してはこの批判は当たりません。
多くのDLGの水平尾翼は機軸から上下方向にオフセットされていますので、遠い側のホーンへ通ずる糸はテールパイプから大きな角度で曲がることになります。
リターン式片側ホーンはこれを防ぐ狙いもあります。ただし、ターンポイントをうまく作らないとかえって無視できないフリクションを生じます。

ラダーはたしかに現在のところ両側ホーンです。

しかし、実は「ラダー動翼をパイプ後端より後方に配しても」、糸両引きのまま片側ホーンとする方法はあります。
こうするとヒンジと反対側にホーンを置くことでホーンを短くできます。ただ、テンションをかけることによるフラッターの防止というメリットは得られません。
わたしのF3Jスープラはこの方法を使っています。糸のメリットが減殺されてしまう難点があるため、現在DLGには採用していません。

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コメント

こちらには初めてコメントいたします。
百間川で時々お会いする者です。糸リンクの詳細なお話参考になりました。ありがとうございます。私はハンドランチはやったことがないのですが、大昔ムサシノのスカイエコーというグライダーで空物RCに入門しましたがそのグライダーも
糸リンケージが指定でした、まあ小型の実機ではワイヤーのクローズドリンクが当たり前ではありますが。

投稿: YBK | 2009年3月27日 (金) 00時16分

YBKさま
いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。
ブログ楽しく拝見いたしました。
私の方は動力機がずいぶんご無沙汰しています。
たまに飛ばさないと電池が傷むかもしれません。

糸リンクの話はDLGに使う方式に特化している部分がありますのでご注意下さい。

ムサシノさんには今でも水糸が入ってる機体もあるんじゃないでしょうか。
そういえば私が入門した機体も糸リンケージでした。ついでにヒンジも糸ヒンジでした。

実機では、私のログに載っている機体ではラダーがワイヤーリンクのものが2機種、ロッドのものが1機種ありました。

投稿: ウエノ | 2009年3月29日 (日) 00時29分

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