Falcon F3K

ウクライナ・HQ製の競技用機で、トップエンドの一角という評価を得つつあるようです。
外見の特長は巨大な垂直尾翼です。
世界戦では1機しか見ませんでしたが、世界戦直後の全米で3位に入って注目を集めました。
今回、Regular(225g・写真の機体)とWindy(253g)の2機を導入しました。
重量だけ見ると特に軽い機体というわけではありません(FB2より重い)。しかしRegularのランチ時に感じる負荷はフルサイズでは過去最も軽いです。
ノーズコーン式。仕上がりは素晴らしいです。
メカルームはバラストホルダーのせいで後半の天地方向が浅いので要注意。
Falconの翼型はSynergy2mod.
19dm^2という翼面積はSynergy2の指定面積より7%ほど小さくなっています。
Synergy2というのはそもそもG.テイラー氏が高いランチを望むビルダー層に押されて大アスペクト比の主翼設計に応じたようなところがあります。指定の主翼面積は20.5dm^2と可能な限り小さくなっているものの、最近多い20以下の数値ではありません。大アスペクト比は彼の本意ではないような気がしますがどうでしょう(私の読解が間違ってなければですが)。
これをさらに縮めてしまうのは本当に性能が出るのか?と気になるものがあり、たとえば18.6dm^2まで縮めたBAMFなどがありますがここでは述べません。
※世界戦ではジュニアのBAMFが1機、目立った活躍をしていました。
さてFalconですが、
(製作)
最近よく見られるような「全くいじる余地のない」ものではなく、むしろ作る側がきっちり考えて作る必要があります。
★注意★
主翼スパンが結構攻めてますので、ペグの接着はご注意ください。
15㎜ほど主翼を掘り込み、指かけの間の外に飛び出た部分を翼端の位置に合わせます。

上2本がオリジナルのインナーアウター、下が交換したカーボンアウター(内径1.5㎜)+1.2㎜ロッド。
エルロンリンケージは0.8㎜インナーロッド+プラ製アウターが付属していますが、割と長い機内をまっすぐリンケージしないとすぐフラッターが出ます。めんどくさいのでカーボンアウター+1.2㎜ピアノ線でリンケージしました。
※Windyバージョンはテーパーパイプを用いたフルフローティング式にしましたが、1.2㎜を用いたインナーアウターでも十分と感じます。
1.2㎜ロッドにする場合の注意点としては、ピアノ線が硬くてリンケージを外す際に苦労することです。

RCGではなぜか皆この形状の内向きにしてましたのでそうしましたが…単純に外向きでもいいのかもです。

メカベッドはBluebirdのA10H対応のものは入っていませんので、A10Hを使う人は一工夫必要です。
A10H4個でノーズバラストなしで重心が61㎜に来ますので、受信機などが少しでも重いとノーズヘビーの恐れがあります。
メカベッドを少し後ろに積むなどして対応したほうが良いでしょう。
メカベッド後方にも大きなスペースがありますので、ここに受信機を積むのもありです。

これはWindyのメカベッドなのでロッドエンドがRegularと異なります。

強いトーションバーの入ってるラダーにはアシストスプリングを追加。ニュートラルでほぼ無負荷です。
たしか大阪のハンズで買ったスプリングの品番がわからなくなったのが痛い。
3Dプリントされたメカベッドは両サイドを少々サンディングして寸法を合わせます。
私は両サイドにリブが入った面を上に向けて瞬間で仮固定し、リブの間にマイクロバルーンを充填して瞬間で固めました。
メカベッドは少々後ろ下がりに接着するとエルロンリンケージに負荷がかかりません。

バラストの先端にスポンジを接着し、キャノピーで押さえるようにします。
下から挿入するバラストルームは扁平な形状で、カーRC用の糊付き鉄バラスト(だいたい60g)がちょうどいいサイズです。
今回Windy用に70gまで作りましたが、スペースの都合でこれ以上重いバラストを作ろうと思うと比重の大きい素材を使うしかありません。
Synergy系翼型は相当重くしてもちゃんと浮きますので、かなりの量を積むことを考えた方が良いです。
Windyでは全備400g前後までもっていきたいところです。
そこで上側のサーボ後方のスペースを追加バラストルームとしています。この場合、リンケージワイヤはパイプで保護してください。
垂直尾翼はポケットがきつすぎてブームに入りません。ハサミで左右に切り目を入れ、切れ目の途中に丸やすりで瞬間を流す穴をあけておきます。あとは瞬間で接着するだけ。
各ホーンも瞬間で接着しました。エポキシ接着剤だと素材との硬さの差ではがれることがありますが(はがせるとも言う)、瞬間は樹脂表面に噛みつくように接着し、ついでに周囲のロハセルごと固めるのでまずはがれません。
接着前に周囲をアルテコをしみこませたティッシュで拭いて白化を防止するといいでしょう。
(フライト)
重心は61㎜からセッティングを始めました。
セッティングは全米3位の(RCGペンネーム)CuttingEdgeBen氏のデータを参照(書き込み#203)しましたが、エレベータは好みより不足したので増やし、逆に効きすぎるエルロンは減らしました。
この機体には主翼中央の固定部がありませんので、基準は胴体側面の平面部上端とします。
操縦は総じて容易で、嫌な癖は全く見られません。気難しさはなく、緊張を強いられることはありません。
とっつきやすい操縦特性の機体です。
ランチ(スピードキャンバーは基準から上1.5㎜)は大変高いです。ノーバラでもフルバラでも過去の所有した機体の中で最高高度です。
ランチの高さがこの機体の第一の売りですから、当然ともいえます。
巨大な垂直尾翼には巨大なラダーがついていますので、ランチ時のフラッターを防ぐためスプリングは強めにしたほうが良いでしょう。
現在、1回左右に尻振りをするのが気になっています。これが消えればもう少し高くなるはずです。
胴体が長いのが原因のような気もしますので、そうだとしたら縮めるしかないですが。
垂直尾翼の巨大さは上空で特におかしな癖を生んではいません。逆に、エルロン→ラダーMIXを使う人は思った以上にMIX量が必要なことに気づくでしょう。
大きいから少しで良いだろ、と思うと滑ります。アドバースヨーがやや大きいことの対策としての尾翼面積かもしれません。
ランチは大変高いですが、風下に向かうための上昇中ハーフロールが不得意のようで気になります。他の機体に比べ上昇中のロールによるエネルギーロスが大きいように感じます。対策を模索中ですが斜め投げで対応するしかないかもしれません。
滑空に移ります。
スピードモードは意外に沈下が少なくすいすいと走ります。無風でも多用出来ます。
バラストを積んでいくとSynergy系の本領を発揮し、素晴らしい速度で広い範囲を移動できます。
重くするほど良くなり、風の中で楽しいのがSynergy系の良さです。Windyは380gまで試していますが、上空では重量を苦にせず気持ちよく飛び回り、サーマルでもよく上がります。
バラストはまだかなり積めると思っています。
クルーズは基準から1㎜下。つまりスピードモードからは2.5㎜も下がります。ただ滑空速度はキャンバーから予想されるほど低速ではありません。速度変化にも寛容で、ピッチを雑に飛ばしても良く浮いています。
サーマルモードは基準から3㎜下。好みでもう1㎜ほど下げてもいいでしょう。サーマルモードは良く浮いてくれます。
フルブレーキに近い大フラップ時の浮きは他の機体にやや劣ります。Synergy系はどれもそう感じます。
AURIなどは15㎜ほど下げてやったところで最小沈下率となりますが(FB2は11㎜あたり)、Falconでは沈下が極端に少なくなる領域はなさそうです(なくはないですが)。
どのモードでもサーマル感度が良く、シンクにつかまっても加速と脱出は容易です。
失速速度はやや速めですが左右に転ぶことなく最小の失高ですぐ回復します。
失速はズブスブっという感じではなく前触れなくカクッと一気に来ます。
上空で225gを重いと感じることはありません。
逆に無風に近くても240gのほうが快適かなと思うことはあります。
253gのWindyも無風に近い条件で問題なくよく飛びますが、ランチでは主翼が重い分無風・微風では差がついてしまいます。
<総じて>
なるほど一流の機体です。しかも性質がとっつきやすいです。製作は迷うところがあるかもしれませんが。
変な癖がなく誰にでも飛ばしやすいので、性能を発揮しやすいでしょう。
競技力も大変期待できます。
高いランチ、サーマルのわかりやすさ、バラストを積むほど快速を発揮し、しかも重くしてもよく浮く、操縦が容易、と競技でうれしい特性にあふれています。
世界的に人気機種になるんじゃないでしょうか。